教員時代の記憶から(2)~子どもの心に寄り添う~

グループの中心的存在で、いわゆる「問題行動」を起こすことが多かった子は

一対一で話をすると、とても素直で、

その瞳は、深い悲しみや寂しさを秘めているように見えました。

 

家庭訪問をした時、

小学生の彼が抱えるには、あまりに辛いであろう生活環境を知り、

親御さんの深い愛情に触れ、

私は、涙をこらえるのがやっとでした。

 

教員は、無力なものだとも思いました。

 

そして、

少しでも彼が心穏やかに過ごすことができるよう、

彼の心に寄り添いたいと思いました。

 

人は、自分の心が満たされている時、

他の人にも寛容でいられます。

優しくできます。

 

他の人に辛く当たっている子は、

必ず何か、心に抱えているものがあります。

 

その子が〝悪〟だと決めつけることでは、

問題は何も解決しないと思います。

 

それどころか、

「やっぱり自分を悪者だと思っているんだな」

「どうせ自分のことは分かってもらえない…」

といったような思いを持つことになり、

問題がこじれてしまうこともよくあります。

 

子どもたちを無理やり自分の思い通りにすることは、不可能です。

自分以外の人は変えられません。

 

「自分が教師として立派に見られたい」などのエゴからでなく、

見返りを求めず、

かけひきをするのでもなく、

変えようとコントロールしようとするのでもなく、

 

ただただ、

子どもたちが幸せになるために、

心に寄り添いながら

今、自分にできる限りのことをする・・・

 

とても根気と忍耐力の必要なことだけれど、

すぐに結果を出すことを求めず、

常に同じスタンスで接し続ける・・・

 

こういったことの重要さを

子どもたちから学ばせてもらいました。

 

 

自分の感情をコントロールすることは難しく、

感情的になって、酷い言葉で叱ったりしたこともありました。

 

それを引き受けてくれた子どもたちに、心から感謝しています。