他の子に叩かれたら、叩き返していい?

このところ、お子さんについて、次のようなお話を続けて聞くことがありました。

 

「保育園や幼稚園などで、他の子に叩かれることがあるらしいのだけれど、

叩き返すことなく、我慢しているみたいです。

そのせいか、ストレスがたまっているようなんです・・・」

 

親としては、とても心配になると思います。

 

このような時にまず大切なことは、

“嫌なことをされた時は、〝嫌だということ〟をきちんと相手の子に伝える”

ことだと思います。

このことを、子どもさんにアドバイスすることです。

 

その場では何も言わず、嫌なのだという態度も見せないでいると、

「だって、嫌がってなかったもの…」という感じで、

叩かれた子が嫌がっているということに、気づかないでいるということがあります。

 

 

また、誤解がもとで、トラブルになることもよくあります。

例えば、

一緒に遊びたかったのに無視された、あるいは、拒否されたと思っているなどです。

 

「遊ぼう」って言ったのに、返事をしてくれなかったとか、どこかに行っちゃった・・・

それで、“一緒に遊びたい”という強い気持ちが満たされずに、

叩いてしまうといったようにです。

 

実際には、

他のことに夢中になっていて気づかなかったとか

「遊ぼう」という声が聞こえていなかったということが

無視あるいは、拒否されたと思われてしまっていることがあります。

 

こういう理由でトラブルになっている場合、

大人が、お互いの言い分や気持ちを聞き、

相手の子に伝えてあげることが必要な場合もあります。

 

 

それでは、

嫌だということを態度で示すために、

叩かれた時には叩き返せばいいのかというと・・・

 

原因が何であれ、

お互いに感情的になり、大喧嘩になってしまうかもしれません。

 

そばにいる大人が、

双方の気持ちをよく聴き、理解してくれればよいですが、

そうはいかないこともあります。

 

幼い子どもたちは、

状況や自分の気持ちを的確な言葉にすることが難しかったりすることもあり、

 

周りから見た状況としては、

叩いた人はすべて“加害者”ということになり、

 

運が悪ければ、

叩き返したところだけを目撃されて、

自分がまず叱られてしまう

ということになってしまうかもしれません。

 

心の中に、大きなわだかまりや傷を残してしまうかもしれません。

 

ですから、まず、

「嫌だということを相手の子に伝える」ようアドバイスし、

それをしても同じことが続くようなら、

大人が間に入る必要があると思いますので、

先生に相談するとよいと思います。

 

子どもが幼いうちは、

親が相談する必要があることもあります。

モンスターペアレントと言われたくないから…ということで、

先生に相談することをためらう方が多くいらっしゃるようですが、

相談する、お願いする、頼りにする、ということは、

文句とは違います。

 

 

先生が間に入ってくれた後も、同じような状況が続くという場合もないとはいえません。

もし、続くようなら、

相手の子が叩いてきた時に、強く抵抗するしかないと思います。

 

相手が理不尽なことをするのであれば、

それを受け入れる必要はありません。

 

いつも我慢してきた子が、一度、強く怒りをあらわにすることで、

相手の態度が変わることもあります。

 

 

 

相手の子が、乱暴な悪い子だというジャッジをしないようにして接することも大切です。

どの子にも、言い分はあり、

満たされている子は、他の子の嫌がることはしません。

 

ずい分と前のことですが、

小学校で低学年の担任をしていた時、

ある子が、イライラしている感じで周りの子に手を出してばかりの日がありました。

挙げ句の果てに、一人の子の上に馬乗りになり、首のところへ手を持っていきました。

ちょうど目撃したので、やめるよう厳しく言いました。

その子は、普段から他の子とのトラブルが多かったのですが

このようなことは初めてでした。

 

二人きりで話をしたところ、

何か原因があるのではないかという気がしましたので、

その子に、

何か辛いことがあったのかと尋ねました。

 

すると、

前日、家で父親に叱られ、

ひどく殴られたとのことでした。

多分、お酒を飲んでおられたのではないかと思います。

 

もし、理由もなく叩いたりする子がいたら、

叩くことは決して気持ちのいいものではありませんから、

何か心に抱えていることがあるのかもしれません。

 

 

親の思っていることは、子どもにも伝わりますので、

子どもさんが他の子に否定的にならないためにも、

どの子も成長しようとしているのだということをベースに

対処していくことが大切だと思います。

 

 

また、子どもは敏感なので、

親が周りの人たちに対して強く否定的な感情を持っている場合、

子どもの周辺で人間関係のトラブルが起きやすくなるということも

あるように思います。